
今は亡きelfブランドより生み出されたサスペンス超大作。館モノ。
市川小紗先生の美麗なイラストに土天冥界氏の練られたシナリオ。
物語全編に漂う緊張感。妖艶な雰囲気。謎が謎を呼ぶ展開。
ゲームというより一本の映画を観ているような、そんな作品。
──────── ストーリー ────────
拓也と由紀。二人は付き合って3ヶ月の恋人同士。
三澤家の主、松太郎。彼は歳の離れた香織を後妻にし、一つ屋根の下で複雑な家族を構成していた。
特に律子は拓也が三澤家に関わる事を嫌い、顔を合わせる度に拓也の不幸を暗示する。
根暗な隆司は口数も少なく、拓也の存在を態度で否定し、沙耶は理詰めの会話で拓也を追い込む始末。
時を経る毎に叶家との溝はは深まり、磁石で言えば同極の関係になっていった。
何故か律子は香織に食事の用意をさせない。買い物すら許さず、料理は必ず家政婦の時江が作っている。
訝しく思いながらも昼食を食べ終わり、そのまま大人しく自室へ戻ろうとする拓也。
そして怪しげな男から封筒を受け取る律子に遭遇し、いかにもワケありな空気に思わず足を竦ませた。
唐突に浮かんだのは香織の寂しげな表情。
どうしてこの家は律子が我が物顔で、あの人は肩身の狭い思いをしているのだろう…。
「タッ君に逢えなくて寂しいよ」
不謹慎な秘め事は気持ちを昂ぶらせ、二人はいつにも増して激しく求め合った。
だけどここは勝手知らない三澤家。気になるのは壁を隔てた隣の部屋だ。
いったい誰がいるのか。今の拓也には見当もついていない。
そんなある日、バイト先のメイド服を持ち、再び由紀は内緒で三澤邸へ。
さっそく拓也に披露しようと、壁に掛けられた鏡の前に立ち、そこで初めて拓也もその不思議さに気づく。
全身を映すには小さ過ぎ、顔を見るには位置が低い。

訝しげに鏡を動かした由紀。裏壁には覗けと言わんばかりの穴が一つ。
不可解さを感じながら、拓也はそっと顔を近づけ、漆黒の闇に視線だけを潜り込ませる。
薄暗い穴の中から映し出されたもの。それはドレッサーで髪をとかす美しい香織の姿。
紛れもなくそこは松太郎夫妻の寝室で、信じ難い光景に拓也は言葉を失うしかない。
なんで? どうして?
頭に浮かぶのは疑問符の言葉ばかり。
そして覗いている自分への後ろめたさ。
良くない事だとわかっているのに、何故か拓也は壁から目が離せなかった…。
「俺がどうしてこんな目に…」
日を追う毎に狂い出す歯車。
三澤家の微妙なバランスに狂いが生じ、不可解な出来事が拓也の周りに起こり始める。
振幅する白い豊満な乳房。微かに聞こえる押し殺した吐息。
衝撃と動揺の中、香織の耐え忍ぶ表情はあまりに切なく、決して悦びから作られていない事を拓也は知る…。
───────────────────────
まずはじめに、本作はネタバレNG系の作品。
本筋を楽しみたい人は、あまり前情報を入れないようにしましょう。
ゲームは三澤邸内をマップ移動し、イベントをこなす中で生じた選択肢により進行していく。
バッドエンド直行の選択肢がいくつもあり、真相解明の正史ルートにいくのが割と大変。
各ヒロインの寝取られイベントについては基本的には物語がバッドエンドに向かうときに見ることができる。


選択肢によっては、主人公が殺人犯になったり、抑えきれずヒロインを凌辱して後ろに手が回ることも。

以下、物語の反転ネタバレ。
この物語はすべて松太郎の後妻・香織の思惑により動いている。
香織は松太郎の財産目当てで、殺人計画を企てていた。
香織と主人公の恋人の由紀も実はグル。異母姉妹という隠れ設定。
家庭教師のバイトを進めたのも由紀で、主人公は松太郎の殺人計画のピースとして利用されていた。
(計画は香織が主人公を色仕掛けで籠絡し、松太郎を殺させるというもの。)
香織というキャラクターは、律子からの虐めにもけなげに耐えて、作中どんなときも主人公に笑顔で接する「味方」として描かれているが、それこそがミスリードで、正体はドがつくほどの悪女。
正史ルートでは、思惑が破れ最終的に刑務所送りになる。
恋人の由紀も、酌量の余地こそあれど、同様に共犯者として裁かれることに。
まずはじめに、本作はネタバレNG系の作品。
本筋を楽しみたい人は、あまり前情報を入れないようにしましょう。
ゲームは三澤邸内をマップ移動し、イベントをこなす中で生じた選択肢により進行していく。
バッドエンド直行の選択肢がいくつもあり、真相解明の正史ルートにいくのが割と大変。
各ヒロインの寝取られイベントについては基本的には物語がバッドエンドに向かうときに見ることができる。


選択肢によっては、主人公が殺人犯になったり、抑えきれずヒロインを凌辱して後ろに手が回ることも。

以下、物語の反転ネタバレ。
この物語はすべて松太郎の後妻・香織の思惑により動いている。
香織は松太郎の財産目当てで、殺人計画を企てていた。
香織と主人公の恋人の由紀も実はグル。異母姉妹という隠れ設定。
家庭教師のバイトを進めたのも由紀で、主人公は松太郎の殺人計画のピースとして利用されていた。
(計画は香織が主人公を色仕掛けで籠絡し、松太郎を殺させるというもの。)
香織というキャラクターは、律子からの虐めにもけなげに耐えて、作中どんなときも主人公に笑顔で接する「味方」として描かれているが、それこそがミスリードで、正体はドがつくほどの悪女。
正史ルートでは、思惑が破れ最終的に刑務所送りになる。
恋人の由紀も、酌量の余地こそあれど、同様に共犯者として裁かれることに。
逆に、主人公に冷たく接していた三澤家の長女・沙耶が徐々に存在感を示し、最終的にメインヒロインの座に落ち着くことで物語はハッピーエンドを迎える。
味方と思っていた2人が実は敵で、苦々しく思っていた人物が最終的に主人公を支える。その入れ替わり構成が見事。
一級のサスペンスでありミステリーだと思う。
──────── 総 評 ────────
得点:59点 ランク:C (41~60)
関係性:★★★★★☆☆☆☆☆ 恋人を含むヒロイン達。
身堕度:★★☆☆☆☆☆☆☆☆ …陵辱かな。
心堕度:★★★★★☆☆☆☆☆ 壊れてしまう。
別離度:★★★★★☆☆☆☆☆ バッドENDでは。
寝取度:★★★★★★★☆☆☆ タイトルほどのNTR感はないが、物語の完成度に脱帽。
読み物として、非常に秀逸。
ただ、寝取られが薄い。
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